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コンピュータには、ハードウェアと呼ばれる装置と、それに与え るソフトウェアという情報があります。
コンピュータは次のような部品で成り立ってます。
これらが「バス」という配線方式でつながってます。
最近のコンピュータは、さらに次のようになってます。
一番最初に作られたコンピュータでは、プログラムは配線により組まれてまし た。しかし、現代のノイマン型コンピュータではプログラムは全てメモリーに記憶 されるデータとして扱われます。 プログラムはコンピュータを動作させるのに必ず要るものですが、「装置(ハー ドウェア)」ではありません。 コンピュータを動作させる装置以外の、データやプログラムのことをソフ トウェアと言います。
ハードウェアの項で説明しましたように、基本的には CPU は 0 番地から一つ のプログラムを実行するだけの機能しかありません。
ハードウェアを変更せずにコンピュータに幾つかのプログラムを処理させるた めには、複数のプログラムを取り扱うようなプログラムが必要です。 そのようなプログラムをオペレーティングシステム(OS)とか「基本 ソフト」と呼びます。OS に与えるプログラムをアプリケーションソフト ウェアとか「応用ソフト」などといいます。
OS はプログラムの管理の他に次のような管理もします。
各装置を動かすためのソフトウェアをドライバと言うことがあります。
家電に組み込まれているコンピュータのように一つのプログラムしか実行しない コンピュータには、基本的にはオペレーティングシステムは必要ありません。 但し、画面に字を出すなど複数の製品でも同じような機能が必要なので、最近 は「組み込み用 OS」が入ってます。 日本製の携帯電話の多くには ITRON が入ってます。
OS は、複数のプログラムを実際に動かしたり機器を管理したりする部分 (カーネル(核))と、 利用者とコミュニケーションをする部分(シェル(殻))に分けること ができます。 ユーザからは複雑な核の部分は見えず、殻の部分だけが見えます。 シェルには、文字によるコミュニケーションをするシェル(CUI シェル)とグラフィックによるコミュニケーションをするシェル(GUI)シェルが あります。
OS は人間が情報を扱いやすくするために、さまざまなサポートをしてます。
OS はファイルと、ディレクトリ(フォルダ)とい う機能を提供しています。
コンピュータのデータの基本は 0 と 1 です。 この 0 または 1 という 2 通りの情報を記憶する単位を bit(ビッ ト)と言います。 8 bit を 1 Byte(バイト)と言います。 1 Byte には 28=256 通りの情報を記憶することができます。 英字や数字などは一文字 1 Byte で記憶されます。 ひらがな、かたかな、漢字などは 2 Byte で記憶されます。 1000 Byte を 1kB と言うこともありますが、 1024=210Byte を 1KBと表すこともあります。 bit, Byte などもともと 2 進数と関係 がある単位なので、 2 の巾乗の数で区切ることが多いです。
次の情報を記憶するのに必要なビット数を求めよ。
ヒント: log2(場合の数) の切り上げを考える
データとは数字や文字列など、情報を表現しているものをいいます。 例えば、「10」「東京電機大学」「(1,2,3)」などはデータです。
レコードとは情報の意味のある組合せです。 例えば、「コンピュータ基礎および演習 I, 月曜日3,4 限, 1C1 , 必修, 前期」 や、「飲み会、お茶の水駅前、4/28、18:00、会費 3000円」のような複数のデー タの組合せはレコードになります。
ファイルは処理の対象となるひとまとまりのレコードの集まりを言 います。 クラスの名簿、スケジュール表などはファイルの例です。
コンピュータではファイルに名前をつけ、名前で管理します。 通常のコンピュータの処理はファイルを対象にします。 CUI シェルでは通常命令は次の文法になってます。
コマンド名 対象ファイル名
文字列を改行で区切ったファイルをテキストファイルと言い ます。 改行で区切られた文字列を行ということがあります。行はレコード に対応します。 電子メールの内容やコンピュータのプログラムはテキストファイルでで きています。 テキストファイルはほとんどのコンピュータで取り扱えるため、情報をやりと りする際に便利です。
MS-DOS やコマンドプロンプトのコマンドの例
複数のファイルをまとめる仕組みをディレクトリやフォルダ と言います。ディレクトリも名前をつけて管理します。 ディレクトリはディレクトリも含むことができます。
ディレクトリ A がファイル B とファイル C を含んでいる。
ディレクトリ A がディレクトリ B とファイル C を含んでいる。
ディレクトリ A がディレクトリ B とファイル C を含んでいて、ディレクト
リ B がファイル D を含んでいる
ディレクトリ A がディレクトリ B とディレクトリ C を含んでいる。
ディレクトリ B はファイル D とファイル E を、ディレクトリ C はディレク
トリ F とファイル G を含んでいる。
「A が B を含んでいる」という関係をA→Bで表すと上の関係はそれ ぞれ次のようになる。
ディレクトリ A がファイル B とファイル C を含んでいる。
ディレクトリ A がディレクトリ B とファイル C を含んでいる。
ディレクトリ A がディレクトリ B とファイル C を含んでいて、ディレクト
リ B がファイル D を含んでいる
ディレクトリ A がディレクトリ B とディレクトリ C を含んでいる。
ディレクトリ B はファイル D とファイル E を、ディレクトリ C はディレク
トリ F とファイル G を含んでいる。
数学では、このように対象物の関係を→の接続で表したものグラフといいます。
さらに、グラフの中で、
すべてが連結しているが合流がない形を木(tree)と言います。
木やグラフを表す時の特有の用語には、頂点、節(対象物)、枝(関係)などがあ
ります。また、木特有の用語として、根(すべての始点)、葉(端点)があります。
さらにある頂点から別の頂点への道筋、あるいは道筋の頂点の列挙を道
(path)と言います。
この場合の道は B,A,C,G と表すことができます。
木の節から見て、自分に接続している節を親と言い、自分が接続している
節を子と言います。
ディレクトリでは親ディレクトリ、サブディレクトリとい
う言い方をします。
CUI シェルでは命令の次に対象ファイル名を指定します。 Windows はファイルシステムを提供していますので、次に述べるような方法に よりディレクトリを利用したファイルを指定できます。
CUI シェルでは、注目しているディレクトリ(カレントディレクトリ) があります。 カレントディレクトリに関連するコマンドには次のものがあります。
Windows では次の特別な約束があります。
Windows でファイルを指定する場合、「カレントディレクトリからのパス (相対パス)」で表現します。 但し、パスの先頭が区切り記号の時は、「ルートディレクトリからのパス (絶対パス)」を表します。
MS-DOS やコマンドプロンプトのコマンドの例
次の問いに答えなさい。
を実行しなさい。 そしてecho abc > def
ディレクトリやパスの表現を説明しましたが、これは一般社会で良く使われて います。 例えば、市区町村の分割と住所表示がその例です。
市区町村の分割
住所の書き方
二元一次連立方程式を解くシートを作りなさい。
ax+by=e (ad-bc≠0) cx+dy=f
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | 'a | 'b | 'e | 'x |
2 | 1 | 2 | 3 | ? |
3 | 'c | 'd | 'f | 'y |
4 | 4 | 5 | 6 | ? |
シートを作成した後、以下の連立方程式を表計算ソフトを使って求めなさい
次の表を作り、データの合計を求めなさい。
A | B | C | D | E | F | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 3 | 8 | 2 | 5 | =SUM(A1:E1) |
上記の演習の表に対して、平均値を求めなさい。
A | B | C | D | E | F | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 3 | 8 | 2 | 5 | =average(A1:E1) |
次の表を考えます。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | 10 | 20 | =A1 | ? |
2 | 30 | 40 | ? | ? |
ここで、 C1 のセルを D2 にコピーすると D2 にはどんな内容が入るのでしょ うか? コピーを行うには(1)カーソルの枠の部分にポインタを合わせ左ボタンを押し 続け(2)目的のセル上までカーソルを移動させ(3) Control(Ctrl) キーを押し ながら左ボタンを離します。 すると、この時、D2 には「=A1」は入らず、「=B2」が入ります。 右に一つ、下に一つ移動すると、A が B にずれ、 1 が 2 にずれます。コピー のこのような性質を使うと、表を作る時便利です。
さらに、ハンドルを使用するとコピーが簡単に行えます。 コピー元にカーソルを合わせ、ハンドルをドラッグするとドラッグした範囲に コピーが行われます。 また、横に複数の範囲を選択してからハンドルを縦にドラッグすると、複数の 範囲をそのまま縦方向にコピーできます。
ハンドルを使って次の表を完成させなさい。
A | B | C | D | E | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 'X | 'Y | 'X^2 | 'X*Y | |
2 | 30 | 40 | =B2*B2 | =B2*C2 | |
3 | 50 | 60 | =B3*B3 | =B3*C3 | |
4 | 70 | 80 | =B4*B4 | =B4*C4 | |
5 | 90 | 100 | =B5*B5 | =B5*C5 | |
6 | '合計 | =SUM(B2:B5) | =SUM(C2:C5) | =SUM(D2:D5) | =SUM(E2:E5) |
ヒント
セルの参照の入ったセルをコピーすると、移動先に応じて参照先が変化します。 しかし、これでは都合の悪い場合があります。 例えば、演習3-8の表において、値引き率を変えて、各々の販売価格の 変化を見たいとします。この場合、各項目が同じ値引き率の値を参照する必要が あります。
参照の前に「$」を入れるとコピーしても移動距離に影響を受けずそのままの 参照を保ちます。 これは列と行と別々に指定できます。 「$A1」なら横に移動する時は「$A1」のままですが、縦に移動すると「$A2」 「$A3」…となります。 一方、 「A$1」なら横に移動する時は「B$1」「C$1」…となりますが、縦に移動する と「A$1」のままになります。 そして、「$A$1」ならどこにコピーしても「$A$1」のままです。
絶対参照は参照を直接キーボードで入力することもできますが、式の入力時に、 カーソルやポインタで指定してから「Shift+F4」を押すことでも指定できます (マイクロソフトエクセルやロータス 1-2-3 では F4 のみ)。
次の表で C1 セルの内容をハンドルを使って ? 記号が入っているセルにコピー すると、どのような値が入りますか?
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | 10 | 20 | =$A1 | ? |
2 | 30 | 40 | ? | ? |
次の表で C1 セルの内容をハンドルを使って ? 記号が入っているセルにコピー すると、どのような値が入りますか?
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | 10 | 20 | =A$1 | ? |
2 | 30 | 40 | ? | ? |
次の表で C1 セルの内容をハンドルを使って ? 記号が入っているセルにコピー すると、どのような値が入りますか?
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | 10 | 20 | =$A$1 | ? |
2 | 30 | 40 | ? | ? |
値(数、日付)の入っているセルのハンドルを引っ張ると、その値を 1 ずつ増 やした値が埋められます。
二つのセルを選択した後、選択した方向にハンドルを引っ張ると、等差数列を 作ります。
A | B | C | D | E | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 3.1 | 3.2 | 3.3 | 3.4 |
2 | 5/1/2002 | 6/1/2002 | 7/1/2002 | 8/1/2002 | 9/1/2002 |
このような表を作るには、 (1) 3 と 3.1 を入力し、選択してハンドルを引っ張り、 (2) 同様に、 5/1/2002 と 6/1/2002 を選択してハンドルを引っ張る。
sin の関数表を作りなさい(次の演習で使用するので消さないこと)。
A | B | |
---|---|---|
1 | 0 | =sin(A1) |
2 | 0.1 | =sin(A2) |
3 | 0.2 | =sin(A3) |
: | : | : |
: | : | : |
64 | 6.3 | =sin(A64) |
ヒント: (1) 0 と 0.1 を入力し、選択して、ハンドルを引っ張り、 6.3 までの等差数列を作り、(2) =sin(A1) を入力し、ハンドルを引っ張り 6.3 ま での表を作る。
データの入っている領域を選択して、「Insert→Chart」とするとグラフが描 けます(「Insert→Chart」をしてから領域を選ぶこともできます)。
上の演習で作成した sin の関数表を元に、 sin 関数のグラフを描きなさい。
次の集計表を完成させなさい。
A | B | C | D | E | |
---|---|---|---|---|---|
1 | tax rate | 0.05 | |||
2 | 'Price | No. | Subtotal | Tax | Total |
3 | 70 | 3 | ? | ? | ? |
4 | 20 | 5 | ? | ? | ? |
5 | 40 | 2 | ? | ? | ? |
6 | 30 | 4 | ? | ? | ? |
税率(Tax rate)は一か所にだけ記入するので、参照するには絶対参照を使う
下の成績処理表を完成させなさい。
(素点-平均点) 偏差値 = ------------- × 10 + 50 標準偏差
A | B | ||
---|---|---|---|
1 | Average | Stdev | |
2 | ? | ? | |
3 | Point | Rank | 偏差値 |
4 | 10 | ? | ? |
5 | 30 | ? | ? |
6 | 60 | ? | ? |
7 | 50 | ? | ? |
8 | 40 | ? | ? |
東京電機大の工学部第一部大学入試センター試験利用試験で情報通信工学科は 次のような集計を行います。
次のような素点表があった時、各受験生に対して合計得点、順位、偏差値を求めなさい。
A | B | C | D | E | F | G | H | I | J | K | L | M | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 人数 | 平均点 | 標準偏差 | ||||||||||
2 | ? | ? | ? | ||||||||||
3 | 受験番号 | 国語 | 数学I・A | 数学II・B | 総合理科 | 物理IB | 化学IB | 生物IB | 地学IB | 外国語 | 得点 | 順位 | 偏差値 |
4 | C1001 | 50 | 70 | 75 | 63 | 45 | 65 | 0 | 0 | 130 | ? | ? | ? |
5 | C1002 | 65 | 62 | 33 | 54 | 71 | 0 | 76 | 0 | 98 | ? | ? | ? |
6 | C1003 | 60 | 80 | 93 | 0 | 70 | 80 | 0 | 0 | 65 | ? | ? | ? |
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